社会保険労務士試験・論点ファイル

科目:労働基準法
項目:労働契約

1.労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その基準に達しない部分のみを無効とする。(無効とされた部分は、労働基準法で定める基準による。)

●過去問(平成21年度出題)
労働基準法で定める基準に違反する労働条件を定める労働契約の部分は、労働基準法で定める基準より労働者に有利なものを含めて、無効となる。(×)

2.労働契約の契約期間の上限が5年とされるのは、①高度の専門的知識等を有する労働者と②満60歳以上の労働者とされるが、高度の専門的知識等を有する労働者については、当該高度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限られる。

●過去問(平成28年度出題)
使用者は、労働者が高度の専門的知識等を有していても、当該労働者が高度の専門的知識等を必要とする業務に就いていない場合は、契約期間を5年とする労働契約を締結してはならない。(〇)

3.有期労働契約者について、「雇止めの予告」を必要とするのは、「当該契約を3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者である。

●過去問(平成24年度出題改)
労働基準法第14条第2項の規定に基づく「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(平成24年厚生労働省告示第551号)」によると、期間が2か月の労働契約(あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く。)を3回更新し、4回目に更新しないこととしようとする使用者は、少なくとも当該契約の期間の満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。(〇)

4.就業規則を交付することによって、法15条1項(労働条件の明示)の「労働条件の書面交付」に代えることができる。(ただし、就業規則の絶対的必要記載事項に含まれていない一定の事項については、別途書面交付を行う必要がある。)

●過去問(平成24年度出題)
労働基準法第15条により、使用者が労働契約の締結に際し書面で行うこととされている労働条件の明示については、当該労働条件を記載した就業規則を交付することではその義務を果たすことはできない。(×)

5.「故意又は重大な過失により会社に損害を与えた場合、損害賠償を請求することがある。」旨の契約を締結することは、法16条(賠償予定の禁止)には抵触しない。

●過去問(平成30年度出題)
債務不履行によって使用者が損害を被った場合、現実に生じた損害について賠償を請求する旨を労働契約の締結に当たり約定することは、労働基準法第16条により禁止されている。(×)