社会保険労務士試験・論点ファイル

科目:労働基準法
項目:適用・適用除外

1.適用事業の単位は「場所単位」であり、「会社単位」ではない。(一の事業であるか否かは主として場所的観念によって決定すべきもので、同一の場所にあるものは原則として分散することなく一個の事業とし、場所的に分散しているものは原則として別個の事業とする。)

●過去問(平成26年度出題)
労働基準法第9条にいう「事業」とは、経営上一体をなす支店、工場等を総合した全事業を指称するものであって、場所的観念によって決定されるべきものではない。(×)

2.船員法1条1項に規定される船員については、総則に関する規定の一部(法1条(労働条件の原則)から法11条(賃金の定義)まで)及びこれに関する罰則規定並びに同居の親族等の適用除外規定を除き、労働基準法は適用されない。

●過去問(平成16年度出題)
船員法第1条第1項に規定する船員については労働基準法は適用されず、したがって、同法第1条「労働条件の原則」、第2条「労働条件の決定」等の労働憲章的部分も、当然適用されない。(×)

3.派遣労働者に関しては、労働基準法は、原則として派遣元事業に適用されるが、「労働時間、休憩、休日等」の労働者の具体的就業に関連する規定の一部については、派遣先事業に適用される。また、派遣元事業及び派遣先事業双方に適用される規定もある。

●過去問(平成10年度出題)
労働者派遣における派遣労働者については、派遣元の事業主に労働基準法が適用され、派遣先の事業主には労働基準法は適用されない。(×)

4.同居の親族のみを使用する事業には、労働基準法は適用されないが、常時同居の親族以外の労働者を使用する事業には、労働基準法は適用される。(この場合、就労の実態等が他の労働者と同様であるなど一定の要件を満たすことにより、同居の親族も労働者とされ労働基準法が適用される。)

●過去問(平成29年度出題)
同居の親族は、事業主と居住及び生計を一にするものとされ、その就労の実態にかかわらず労働基準法第9条の労働者に該当することがないので、当該同居の親族に労働基準法が適用されることはない。(×)

5.家事使用人については、労働基準法は適用されないが、法人に雇われ、その役職員の家庭において、その家族の指揮命令の下で家事一般に従事している者も家事使用人である。(法人においては労働者として労働基準法が適用されるが、役職員の家庭においては家事使用人として労働基準法は適用されない。)

●過去問(平成29年度出題)
法人に雇われ、その役職員の家庭において、その家族の指揮命令の下で家事一般に従事している者については、法人に使用される労働者であり労働基準法が適用される。(×)