本日の受験弁当

〔問1〕択一式定番問題(労働安全衛生法)

事業者は、2人以上の安全管理者を選任する場合においては、そのうちの1人を除いては、その事業場に専属の者でない外部の労働安全コンサルタントを安全管理者として選任しても差し支えない。

 

〔問2〕判例選択式(労働基準法)

最高裁判所の判例によると、「元来、『労働条件は、労働者と使用者が、【 A 】決定すべきものである』(労働基準法2条1項)が、多数の労働者を使用する近代企業においては、労働条件は、経営上の要請に基づき、統一的かつ画一的に決定され、労働者は、経営主体が定める契約内容の【 B 】に従って、附従的に契約を締結せざるを得ない立場に立たされるのが実情であり、この労働条件を【 B 】的に定めた就業規則は、一種の社会的規範としての性質を有するだけでなく、それが【 C 】労働条件を定めているものであるかぎり、経営主体と労働者との間の労働条件は、その就業規則によるという事実たる慣習が成立しているものとして、その【 D 】が認められるに至っているものということができる。」としている。

  • 選択肢A

①合意することによって ②対等の立場において

③自主的な交渉の下で ④信義に従い誠実に

  • 選択肢B

①類型 ②典型 ③定型 ④根本

  • 選択肢C

①合理的な ②実質的な ③事実上の ④公序に反しない

  • 選択肢D

①裁判規範性 ②法的規範性 ③有効性 ④実効性

 

 

〔答1〕× 2人以上の安全管理者を選任する場合に、そのうち「1人については」その事業場に専属の者ではない、外部の労働安全コンサルタントを安全管理者として選任できることになっている。(労働安全衛生規則4条1項2号)

 

〔答2〕A:②対等の立場において B③定型 C②合理的な D⑪法的規範性(最判昭和43年「秋北バス事件」)

 

【秋北バス事件】

1.事案概要(時代背景は、昭和30年代後半・・・三丁目の夕日が沈む頃)

従来定年制の無かった会社Aで、「55歳定年制」を新設する就業規則の改正に伴い、改正時すでに55歳に達していたために解雇された従業員Xが、本人の同意のない就業規則の改正には拘束力はないため、解雇は無効であるとして訴えた事案。

2.試験対策上の論点

(1)就業規則の改正により定年制を新設し、既に定年を超えていることを理由に従業員を解雇することは許されるか。

(2)解雇が許される場合、労働基準法20条(解雇の予告)の規定の適用はあるか。

3.試験対策上の結論

(1)許される。(労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである(法2条1項)が、多数の労働者を使用する近代企業においては、労働条件は、経営上の要請に基づき、統一的かつ画一的に決定され、労働者は、経営主体が定める契約内容の定型に従って、附従的に契約を締結せざるを得ない立場に立たされているのが実情であり、この労働条件を定型的に定めた就業規則は、一種の社会的規範(※)としての性質を有するだけでなく、それが合理的な労働条件を定めているものであるかぎり、経営主体と労働者の労働条件は、その就業規則によるという事実たる慣習が成立しているものとして、その法的規範性が認められる)

※「社会的規範」とは…「その集団の中で守られるべきであるとされるルールや規律」のことをいう。(通常、法的な強制力はない。)

(2)労働基準法20条(解雇の予告)の適用を受ける。

4.択一式出題例(平成17年度、平成22年度)

(1)就業規則の定めは、その定めが合理的なものである限り、労働条件の決定はその就業規則によるという事実たる慣習が成立しているものとして法的規範としての性質を有するので、当該事業場の労働者は、就業規則の存在及び内容を現実に知っていると否とにかかわらず、また、これに対して個別に同意を与えたかどうかを問わず、当然にその適用を受ける、というのが最高裁判所の判例の考え方である。

〔答〕○

(2)定年に達したことを理由として解雇するいわゆる「定年解雇」制を定めた場合の定年に達したことを理由とする解雇は、労働基準法第20条の解雇予告の規制を受けるとするのが最高裁判所の判例である。

〔答〕○

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