冬休みの友・第1回

本日から8回シリーズで、学習した労働基準法と労働安全衛生法の一問一答(1回あたり、20問)を出題します。解答・解説は、各回の翌日に掲載します。

 

労働基準法

【総則】

問1 法1条にいう「労働条件」とは、賃金、労働時間、解雇、災害補償等の基本的な労働条件を指し、安全衛生、寄宿舎に関する条件は含まれない。

問2 法3条が差別禁止事由として掲げている「信条」とは、政治的信条や思想上の信念を意味し、そこには宗教上の信仰は含まれない。

問3 法4条は、賃金についてのみ女性であることを理由とする男性との差別的取扱いを禁止したものであり、その他の労働条件についての差別的取扱いについては同条違反の問題は生じない。

問4 法6条は、「何人も、法律によって許される場合のほか、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。」としているが、その規制対象は、私人たる個人又は団体に限られ、公務員は規制対象とならない。

問5 法7条は、労働者が労働時間中に、公民権を行使するために必要な時間を請求した場合には、使用者はこれを拒んではならないとし、また、当該時間を有給扱いとすることを求めている。

【労働基準法の適用】

問6 労働者派遣における派遣労働者については、派遣元及び派遣先の双方とそれぞれ労働契約関係があるので、派遣元及び派遣先については、それぞれ労働契約関係が存する限度で労働基準法の適用がある。

問7 労働基準法は、農林の事業や畜産又は水産の事業についても適用されるが、これらの事業に従事する労働者については、同法第4章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用されない。

問8 労働基準法は、家事使用人については適用しないこととされているが、個人家庭における家事を事業として請け負う者に雇われて、その指揮命令の下に家事を行う者は、家事使用人に該当する。

問9 労働基準法は、同居の親族のみを使用する事業については、適用しないこととされているが、同居の親族であっても、①常時親族以外の労働者を使用する事業において、一般事務又は現場作業等に従事していること、②業務を行うにつき、事業主の指揮命令に従っていることが明確であること、③就労の実態が当該事業場における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われていること、のすべての要件を満たす場合には、労働者として取り扱われる。

問10 船員法の適用を受ける船員については、その労働の特殊性から、労働基準法は全面的に適用が除外されており、当該船員の労働条件の基準については、船員法の規定するところによるものとされている。

【平均賃金】

問11 賃金締切日が毎月月末と定められていた場合において、例えば7月31日に算定事由が発生したときは、同日から遡った3か月が平均賃金の算定期間となる。

問12 平均賃金の算定期間中に「業務上の傷病による療養のための休業期間」がある場合においては、その日数及びその期間中の賃金は、平均賃金の算定期間及びその算定期間中の賃金の総額から控除する。

問13 年俸制における平均賃金の算定については、年俸制で毎月払い部分と賞与部分を合計して予め年俸額が確定している場合には、賞与部分を除いた年俸額の12分の1を1箇月の賃金として平均賃金を算定する。

問14 平均賃金の算定に当たり、家族手当、通勤手当及び住宅手当は算入しない。

問15 雇入れ後3か月に満たない者について平均賃金を算定する場合は、賃金締切日の有無にかかわらず、その事由の発生の日から計算を行う。

【賃金の支払】

問16 派遣中の労働者の賃金を派遣先の使用者を通じて支払うことについては、派遣先の使用者が、派遣中の労働者本人に対して、派遣元の使用者からの賃金を手渡すことだけであれば、直接払の原則には違反しないものである。

問17 使用者は、労働者の同意を得た場合には、賞与及び退職金の支払について、口座振込みによることができるほか、いわゆる銀行振出小切手、銀行支払小切手、普通為替等を交付する方法によることができる。

問18 労働協約の定めによって通貨以外のもので支払うことが許されるのは、その労働協約の適用を受ける労働者に限られる。

問19 法24条1項の賃金全額払の原則は、労働者が退職に際し自ら賃金債権を放棄する旨の意思表示をした場合に、その意思表示の効力を否定する趣旨のものと解することができ、それが自由な意思に基づくものであることが明確であっても、賃金債権の放棄の意思表示は無効である、とするのが最高裁判所の判例である。

問20 賞与を支給日に在籍している者に対してのみ支給する旨のいわゆる賞与支給日在籍要件を定めた就業規則の規定は無効であり、支給日の直前に退職した労働者に賞与を支給しないことは、賃金全額払の原則を定めた法24条1項に違反する、とするのが最高裁判所の判例である。

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