ステイホームワーク第8回(解答)

労働基準法
●年次有給休暇
問71 法41条2号に規定するいわゆる管理監督者についても、法39条の要件を満たす限り、年次有給休暇を付与しなければならない。
答71 〇 法41条該当者(労働時間、休憩、休日に関する規定の適用除外者)にも年次有給休暇の規定は適用される。(法41条、昭和22.9.13基発17号)
【コメント】
法41条該当者には「休日」の規定は適用されませんが、「休日」と「休暇」は異なります。「休日」とは、もともと労働義務がない日のことをいいますが、「休暇」とは、もともと労働義務がある日について、一定の手続きを取ることにより取得できる日のことをいいます。(法律上は、年次有給休暇のほか、生理休暇、育児休業、介護休業、子の看護休暇、介護休暇などがありますね。)

問72 使用者は、労働者から請求された時季に年次有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合に限り、他の時季にこれを与えることができるが、派遣労働者の年次有給休暇について、事業の正常な運営を妨げる場合に該当するか否かは、派遣元の事業について判断される。
答72 〇 派遣労働者が派遣先の事業において就労しないことが派遣先の事業の正常な運営を妨げる場合であっても、派遣元との関係においては事業の正常な運営を妨げる場合に当たらない場合もあり得るので、代替労働者の派遣の可能性も含めて派遣元の事業の正常な運営を妨げるかどうかを判断することとなる。(法39条5項、昭和61.6.6基発333号)
【コメント】
いわゆる使用者の「時季変更権」についての問いかけですが、派遣労働者の場合は、代わりの派遣労働者がいれば事なきを得るからですね。(現実的には難しいと思いますが…)

問73 年次有給休暇の付与要件である出勤率の算定上、育児・介護休業法による育児休業をした期間については、出勤したものとみなすこととされている。
答73 〇 設問のほか、「出勤したものとみなす期間・日」として、①業務上の傷病による療養のための休業期間、②産前産後の休業期間、③育児・介護休業法の介護休業を取得した期間、④年次有給休暇を取得した日、⑤労働者の責めに帰すべき事由とはいえない不就労日(解雇無効期間)がある。(法39条10項)
【コメント】
「行く(育)ぞ開(介)業(業)3(産)年(年)目、何でもかんでも買い込む(解雇無効)ゾ!」ですね。

問74 使用者は、年次有給休暇の期間については、労使協定がない限り、就業規則その他これに準ずるものの定めるところにより、平均賃金又は所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金を支払えばよい。
答74 〇 労使協定により、年次有給休暇の期間について健康保険法上の標準報酬賃金月額の30分の1に相当する金額を支払う旨を定めたときは、それによらなければならないが、労使協定がない場合は設問のとおりとなる。(法39条9項)
【コメント】
以下のお話しは試験には関係ありませんが、一般的には「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」を使用するところが多い(労働者の理解が得られ易く給与計算が簡単なため)ですが、パートさん等1日の所定労働時間が何種類かある場合は「平均賃金」を使用するところもあります。また、「健康保険法の標準報酬月額の30分の1」を使用することがあるのは、タクシーの運転手さんなど歩合給の(月ごとにお給料に大きな波がある)方です。

問75 いわゆる時間単位年休についても、使用者の時季変更権の対象となり、労働者が時間単位による取得を請求した場合に日単位に変更することや、日単位による請求をした場合に時間単位に変更することも、時季変更に当たり、認められる。
問75 × 時間単位年休についても、使用者の時季変更権の対象となるが、労働者が時間単位による取得を請求した場合に日単位に変更することや、日単位による請求をした場合に時間単位に変更することは、時季変更に当たらず、認められない。(法39条5項、平成21.5.29基発0529001号)
【コメント】
常識的に考えてもそんなことはできませんよね。(数字論点のない問題で、覚えていないことや知らない問題が出た場合は、勇気を出して!?常識で判断しましょう。)

●年少者、妊産婦等
問76 使用者は、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの児童を、労働基準監督署長の許可を受けて使用する場合においては、修学時間を通算して1週間に40時間まで、修学時間を通算して1日に7時間まで労働させることができる。
答76 〇 また、児童を修学時間のない日(通常日曜日)に労働させることは、別の修学日に休日を与えていれば差し支えないこととされている。(法60条2項)
【コメント】
「修学時間を通算して」というところと、「1日について7時間(児童はい~な)」がポイントです。

問77 使用者は、満18歳に満たない者を午後10時から午前5時までの間において使用してはならない。ただし、交替制によって使用する満16歳以上の者については、この限りでない。
答77 × 「交替制によって使用する満16歳以上の者」ではなく、「交替制によって使用する満16歳以上の男性」である。(法61条1項)
【コメント】
「色男(16・男)はつらい」ですね。

問78 使用者は、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性(以下「妊産婦」という。)が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。
答78 × 他の軽易な業務への転換を義務づけているのは、「妊娠中の女性」が請求した場合に限られている。(法65条3項)
【コメント】
「お腹が重いから軽い仕事」ですね。

問79 生後満1年に達しない生児を育てる労働者は、休憩時間のほか、1日2回各々少なくとも30分、その生児を育てるための時間を請求することができる。
答79 × 育児時間を請求することができるのは、生後満1年に達しない生児を育てる「女性」とされており、男性は請求することはできない。(法67条1項)
【コメント】
育児時間の趣旨は「授乳時間の確保」です。男性はどんなに頑張ってもムリです。

問80 生理休暇については、女性労働者が時間単位で請求した場合、使用者はその範囲で就業させなければ足りるものであり、暦日単位に休暇を与える必要はない。
答80 〇 生理休暇は、暦日単位で行わなければならないものではなく、女性が半日又は時間単位で請求した場合には、使用者はその範囲で就業させなければ足りるとされている。(法68条、昭和61.3.20基発151号)
【コメント】
生理「休暇」といいますが、本人が必要とする時間又は日数を与えなければならないということです。