社会保険労務士試験「プチ講座」

 みなさん、こんにちは。本日は、「一般常識」の試験対策についてお話ししたいと思います。
 「一般常識」は、「労務管理その他の労働に関する一般常識(いわゆる労一)」と「社会保険に関する一般常識(いわゆる社一)」に分類されます。
 「択一式」はそれぞれ5点、計10点の一科目、「選択式」はそれぞれ5点の二科目で構成されます。
 「一般常識」の特徴は、何と言ってもその「範囲の広さ」にあります。
 労一については、労働法令が約20、これに加えて「労務管理」、「労働経済」といった分野についても出題の対象となっています。
 社一については、社会保険法令が約15、これに加えて「厚生労働白書」や「法令の沿革・横断」についても出題の対象となっています。
 したがって、この科目で高得点を狙うことはできません。「択一式」は4点、「選択式」は3点の得点を何としても死守することが唯一無二の目標になります。
 具体的に、まず、「択一式」についてお話しします。
 労一については、5問中3問が「労働経済」、1問は「労働契約法」、残りの1問は「労働組合法か労働法令の総合問題」というスタイルが近年の一般的な傾向です。このうち、「労働経済」は超難問が多いため、残りの二つ、特に「労働契約法」に力点を置く学習をお勧めします。他の労働法令については、まとめなどを作成して「広く浅く」学習しておくことがポイントです。
 社一については、ほぼ「社会保険法令」から出題されるため、繰返し問われているものも多く、過去問重視の学習が効果的です。特に、国民健康保険法、高齢者医療確保法、介護保険法、社会保険労務士法、児童手当法、確定拠出年金法、確定給付企業年金法といった法令が主役になります。
 総合的には、労一で1点、社一で3点を得点することを目標にします。
 次に、「選択式」についてお話しします。
 労一、社一とも「何が飛び出して来るか分からないビックリ箱」の科目になります。平成27年度の本試験では、労一が「統計」からの出題、社一は「目的条文等」からの出題でした。特に労一に関しては、完全な「文章問題(誰しもが初めて見る問題で、前後の文脈から読み取って正解肢を探さなければならない問題)」でした。ただし、こういった問題は、社労士試験では決して珍しいものではなく、毎年1問はほぼ覚悟しておかなければならないものです。(「文章問題」への対策は、別の機会にお話ししたいと思います。)
 用心すべきは、労一、社一共通項目として「法令の目的や基本理念に係る条文」、労一については「労働経済のポイントとなる数字」、社一については「厚生労働白書にある選択式ネタの部分」です。むしろ、労働経済や厚生労働白書については、「択一式」対策はほどほどにして、「選択式」で致命傷になる可能性のあるところをまとめておくことが重要になります。
 具体的な箇所については、今後機会を改めて特集したいと思っています。
 次回は、「平成28年度の本試験における改正事項」についてお話ししたいと思います。

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